定年を迎える社員の処遇について

◆安易な定年延長はお勧めしません!
 「今なら助成金がでると聞いたから・・・」とご相談を受けることもあります。
 そんな時は「今いる従業員の方、全員の顔を思い浮かべて下さい。全員をその年齢まで今以上の給与で雇用する約束をするということですよ。」とお話しします。
 すると、多くの事業主様は「今度定年となる人はいいけど、全員にそんな約束はできないからやめておくわ。」となります。
 もちろん、定年延長にもメリットはあります。
 また、定年延長でなくともふさわしい処遇をすることは可能です。

⇒定年および定年後の雇用(処遇)については、人事制度全体として考えることであり、"助成金がでるから"と変えるものではないのです。

◆仕事の内容と賃金とのバランスを軸に検討を!
 原則は仕事=賃金
 年金の支給開始年齢が上がっていきますので、これまでのような、年金+継続給付+賃金の設計は難しくなります。
 また、希望者全員雇用の義務化や定年年齢の引き上げ、厚生年金の被保険者資格、さらなる年金支給開始年齢の引き上げについても検討されています。
 そうした方向性を踏まえた上で、能力のバラツキが大きくなる層の従業員を、モチベーションを維持したまま雇用継続するにはどうしたらいいのか?

⇒それぞれの事業所様にとってベターな方策を一緒に検討していきます。

◆年金との関係
 年金額は人それぞれ違います。
 中途採用者が多い事業所様ならなおのこと、社内モデルはありません。
 可能であれば、会社としていくつかの選択肢を用意した上で、ご本人自ら、お近くの年金機構または年金相談センターで「この働き方をした場合は年金はどうなるのか?」と相談してもらうのが一番納得が得られる方法です。 ご夫婦で行かれるのも第2の人生を考えるよい機会となるかもしれません。

⇒ご本人の委任状があれば、こちらで請求手続きの代行や、在職老齢年金についてのご説明もさせていただきます。

◆雇用保険継続給付との関係
一定条件を満たせば、雇用保険から給付を受けることができます。
(給付を受けられるのは、会社ではなく、雇用保険の被保険者である従業員です。)
⇒高年齢雇用継続給付等雇用保険の手続もいたします。

賃金締切日と支払日を変更したい。

 変更することはできます。
 しかし”なぜ変更したい”のでしょうか。
 賃金計算のスケジュールの問題でしょうか?それとも資金繰りの問題でしょうか?
 変更することにより様々な影響が考えられますから、それらを考慮した上で、変更のメリットを判断して下さい。(たとえば、支払日を当月から翌月に変更すると、社会保険の定時決定は4,5,6月に支払われた報酬となりますから、これまでと1ヶ月ズレます。3月に非常に時間外が多い事業所様ですと、支払日を変更したために、全従業員の標準報酬が非常に高くなるという可能性もあります。)
 従業員の方へは、事前に十分な説明と準備期間を設けること、変更による影響を考慮し、対応策を用意すること等も必要です。

1:賃金支払5原則(労働基準法24条)
 @通貨で
 A直接労働者に
 Bその全額を
 C毎月1回以上
 D一定の期日を定めて支払わなければならない。
2:就業規則(絶対的記載事項)の変更
 賃金の決定、計算、支払の方法、賃金の締切り、支払の時期および昇給

通勤途中に交通事故に遭った。労災保険と自動車保険の関係は?

 自賠責保険からも給付を受けられる場合は、どちらかを選択します。
 一般的には、労災保険よりも自賠責保険の給付の方がご本人にとって有利であるため、自賠責保険を先行するケースが多くなります。
⇒最良の方法をご案内させていただきます。事故の状況、過失割合の見込み、ご自身の怪我の程度、休業の有無等ご連絡ください。

大手会社の就業規則をそのまま使っているから問題ないよね

 ”問題がない”とは言えません。

 建設業の事業所様では、内容をよく理解していないままに、元請事業所様の就業規則をそっくりそのまま自社の就業規則としたというケースもあるようです。
 特別有給休暇や休職制度等、こちらが「就業規則ではこうですが」と確認させていただくと、「え?そうなの?とてもウチでは・・・」と初めて問題の深刻さに気づかれるケースもあります。
 就業規則は会社と従業員の約束です。(不利益変更はハードルが上がります・・・)
 義務なのか努力義務なのか任意なのか・・・整理した上で自社に合った就業規則に内容にすることが重要です。
 また、法改正もありますので、定期的な見直しも必要です。

外注のようなアルバイトのような人がいるのだが・・・

 ⇒明確に区分をし、双方の意識のズレがないようにしましょう。

 外注とアルバイトでは雇用関係の有無という点で大きく異なります。(外注=一事業主)
 曖昧な管理をしていたために、「休業手当、解雇予告手当を支払え」とトラブルになったケースもあります。